die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第3章 episode.3
「あ、あはは…。
ライトくんったらまたそんな…」
言いながら腕から逃れようとしたのだけれど、一気に手首を掴まれて動けなくなる。
「んふ♪
まさか、このボクから逃げられるとでも思った?
まぁ、逃げるふりでもしてくれた方がボクは燃えるんだけど♪」
手首を掴まれたまま、誘導されるようにベッドに座らされてしまう。
これじゃあ、また今朝と同じになっちゃう…!
どうしよう?
「あ、あのね、ライトくん。
私掃除がまだ途中なんだよね。
ほら、ちゃんとやっておかないと、ここに置いてもらってるのに申し訳ないしさ…」
「そんなの、使い魔にでもやらせとけばいいんだよ。
レイジは自分でも掃除したりしてるけど、あんなの、使い魔でじゅうぶん…」
手首を拘束してるライトくんのひんやりとした手はますます締め付けが強くなって、全く動けない。
「スー…んん〜♪いい匂い」
まずい、ことはわかってる。
でも、なす術がない。
横目でライトくんの横顔を伺う。
冷や汗が出てきた。
「手伝ってくれるんでしょう?
ボクのお勉強。
ねぇ、教えてよ。
あ〜んな事や、こ〜んな事…」