die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第3章 episode.3
「私、皆が学校行ってる間、この家の中の事をする事になったんだよ。
レイジさんが言ってたでしょ?
い、今は掃除をしてるんだよ。
ライトくん、学校は…?」
「学校?
あぁ。
ボク今、停学中なんだよねぇ〜」
「ってっ停学っ?」
聞いてないんですけど!
「そう。
だから、この時間は街に居る事が多いかな〜。
今日は、キミが居るから帰って来ちゃった♪」
後ろから耳元で話してくるから、ちょっと居心地悪い。
一旦距離を置きたいけれど、ぎゅっとされてて抜け出るのは難しそう。
「停学中だったら、出歩いてちゃ、だめでしょ。
その間勉強したり…」
「ん〜そうだね〜。
ごめんごめん。
じゃあ〜、これからはマイちゃんに、ボクの勉強手伝って貰っちゃおうかな〜」
あれ?
ライトくんも素直でいいところあるのかな。
何だかんだ言っても、高校生だもんね。
「いいよ。
数学はちょっと苦手だけど、問題によっては…」
「そうじゃなくて、教えてよ。
マイちゃんの事…」
急に囁き声になって…ライトくんまさか…。
また血を狙ってる?
思わず身体がこわばるけれど、気にしてないふりをして答える。