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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第25章 episode.25


小さく動いた唇、この唇が…私を熱くさせる。


綺麗な形の唇…。


身体の芯が溶けていくような首筋を伝う舌の感覚。


甘く繰り返されたキスが頭の中に蘇って一気に身体が熱くなった。


これじゃあ本当にはしたないよ、私…。


「…う……」


その時突然穏やかな呼吸が乱れ、苦しげな表情になった。


「ど、どうしよう…」


寝顔を見ていた事を怒られるに違いないと分かっていても、目の前で苦しむ彼を起こさずにはいられなかった。


「レイジさん、レイジさん!
大丈夫ですか?」


「………っ…!……ん?
………あぁ、貴女…ですか…」


「ごめんなさい、眠っているところを起こして…。
何かとてもうなされていたので…」


「いえ……。
構いません…」


何か少し考える素振りを見せて、眉間にしわを寄せた。


何か嫌な夢でも見たのかな…。


そう言えば前にも、こんなことがあったような…。


「…っきゃ!」


長い腕に捕まえられて、ベッドの中に引き込まれるように後ろから抱きしめられた。


「むしろ、礼を言わなくては。
起こして頂いてありがとうございます」


「い、いえ…」


悪い夢を見てうなされるなんて、誰だって嫌だよね。


「貴女、体調は?」


「は、はい、何ともありません」


「そうですか…。
良かった。
貴女は、いつもこうして温かいですね…。
しばらく、こうしていても…?」
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