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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第25章 episode.25


視界に飛び込んで来たのは、見慣れない天井。


「…あれ……?
……あ…そうか…」


一瞬考えて、ここは魔界なのだと、思い出した。


「……ん…ー…」


深呼吸するみたいに深く息を吸う声がした。


「!……っと…」


レイジさん、隣で寝ていたんだ。


起こしてはいけないと、口に手を当てながらそっと顔をのぞいて見た。


「ふふ、まだ寝てる…」


まだ深い呼吸を続けるレイジさんを見て、笑顔になってしまう。


綺麗なその寝顔は無防備で、やっぱりちょっと可愛い。


閉じられたまぶたを見つめながら、今日の事を考えていた。


昨夜の地図を参考にして、今日は山の方に行かなきゃいけないんだ。


大丈夫、レイジさんが傍に居てくれるから、何も怖くない。


昨日の事、挽回出来るくらい、頑張らないと…!


レイジさんの手を煩わせないようにしなきゃ。
ちょっとでも役に立てたらいいな…。


心の中でそう考えていた時、レイジさんのまぶたが僅かに震えた。


「………ん……」


あ……まだ、しばらく見て居たかったのに起こしちゃった…?


息を飲んで見て居ると、その唇から意外な言葉がこぼれ落ちた。


「……マイ……」


い、今私の名前……?


一瞬にして顔が熱くなるのを感じたけど、じっと我慢する。


びっくりした…。
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