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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第24章 episode.24


「はい……ごめんなさい」


彼女の事だ、ちゃんと反省しているのだろうとは思う。


まっすぐな瞳でそう言われると、このまま許してしまっても良いのですが……しかし。


「謝罪の言葉も結構です。
ですが……私に不味い血を味わわせた罪は、どう責任を取って頂けるのですか。
……っ」


まだ残る傷をひと舐めすると、彼女は身体を震わせた。


「…ぁ…っ」


「おや、どうしましたか?
痛みますか?」


顔を覗き込むと真っ赤に頰を染めている。


痛みと私の舌の感触に翻弄されている…と言ったところでしょうか。


彼女の瞳は私を煽るように潤み、私を映している。


「ご…、ごめんなさい…。
だから…もう…」


そらした目線の先に、何を見ているのか。


そんな期待したような顔をしておいて……。


よく言ったものです。


「謝罪の言葉は結構だと、お伝えしたでしょう?
ふふ…、決めました。
今から貴女には、罰を与えます」


「…ぇっ…」


押さえつけていた腕をほどき、動揺する彼女の顔の横に両ひじをつくと、耳元にくちびるを寄せた。


「さあ…こちらの首です…。
今度は、私の舌を愉しませてくださいね……フフ」


まだ赤く残る傷あと。


白い首筋にやけに主張してくるその赤い場所をめがけて、キバを立てた。


「……んっ……」


少し力を込めると、簡単に柔らかな肌は私のキバを受け入れた。


「うっ……!」
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