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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第24章 episode.24


「きゃ……」


「貴女と言うひとは…!
少し目を離した隙にこのような…。
薄々感じていましたが、ちょっとコウモリに対して、寛容過ぎるのではないですか?」


「ご、ごめんなさい…。
レイジさんの使い魔くんがとてもいい子だったので、皆そうなのかと…」


「私の使い魔のせいにされても、困ります。
いいですか?
ここは魔界です。
例え使い魔であろうと、油断する事は出来ないのです」


顔色を悪くし、窓際に倒れて居た姿が脳裏をよぎる。
彼女の手首を押さえ込む手に思わず力が入った。


「私に…あんな不味い血を吸わせるとは……。
一体どう言う事ですか」


「不味い……?
血が不味いって……どう言う事なんですか?」


「まるで…腐った泥水でもすすっている気分でした。
おそらく、感染症の類いではないかと思っています」


「感染症……」


「…ええ。
コウモリは、あらゆる感染症を引き起こす病原体を多く持っているのです。
しかし…例え感染したとしても、通常はこんなに早く症状が強く出るはずはないのですが…。
直接、血液に触れた事に加えて、先程も言いましたがここは魔界ですからね。
貴女の血と相まって、特異な現象が出ていたのでしょう」


「レイジさん…」


「…分かりましたか。
命だって落としかねない危険な状況だったのです」


私が諭すと、彼女は黙って頷いた。


「ありがとうございました。
レイジさんが助けてくれてなかったら、私…どうなっていたか…」


「分かれば良いのです。
これに懲りたら、今後油断はしない事ですね」
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