• テキストサイズ

die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第3章 episode.3


「あ〜!逆巻さんちの!
ちょうどいいところに」


振り向くと中年の女性が居た。


「お宅ね、また曜日の違うゴミを出してたでしょ?
私だって何度も言いたくはないんだけどさ、ご近所から苦情が来てる以上言わない訳にいかないんだよね」


「……すみま…」
「それは…ご迷惑かけてごめんなさい」


レイジさんより先に謝罪して頭を下げると、おばさんは不思議そうに私の顔を見ていた。


「あ、私逆巻さんの家に引っ越して来たばかりなんですけど、これからお世話になると思うのでよろしくお願いします」


「あぁ、申請が出てた…あなたがそうなのかい。
私はここの自治会長だよ。よろしくね」


とても人の良さそうな笑顔だった。


「ゴミ出しの時間は、皆さん夜間学校の学生さんだってんで大目に見てやってるからさ、曜日くらいはしっかり頼むよ」


「配慮して下さってるんですね…ありがとうございます。
気をつけますね」


「…あ!そうだ。
いいモノあげるよ、ちょっと待ってな」


おばさんはパタパタと家の方に走り、直ぐに戻ってきた。
/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp