die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第21章 episode.21
マイは既に眠っているし、起こさない為にも今日は別の部屋で休むか…。
しかし、他の魔界の者達に関してはここは安全であると言えるが、今は叔父上の事がある。
何かあった場合には、近くにいる方が安全だろう。
それならばこの部屋のソファで休もうと考え、ブランケットを準備する。
眠る前にと、彼女の眠るベッドに近づき、額に手を触れてみると彼女は目を開けた。
「…ん…、あ…レイジさん…」
「おや、すみません。
起こしてしまいましたね」
「あ…いえ、今日は沢山眠らせて貰って居たので、今は少しうとうとしていただけです」
「それなら良いのですが。
熱はだいぶ下がってきているようですね」
そう告げると、彼女は少し微笑んだ。
「では、このままゆっくり休んで下さい。
私はそこのソファに居ますから、何かあれば言って下さいね」
「え…?どうしてですか?」
彼女は私の準備していたブランケットを遠目に確認すると、いぶかしげな顔をした。
「一人の方がゆっくり休めるでしょう?
貴女が回復するまでは、そうしましょう」
するとベッドの中から腕が伸びてきて私の袖を掴んだ。
「そんなの、ダメです。
レイジさんがソファで寝るなんて…」