• テキストサイズ

die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第21章 episode.21


「…いい匂い…」


料理を部屋に運び込むと、起こすより先に彼女は目を覚ましたようで、ベッドから降りると傍までやってきた。


起き上がっても平気だと言うので、そのまま食事をする事にした。


「カルボナーラは…何せ急でしたので納得のいくチーズが手に入らなかったのですが、今日は我慢して下さい。
それと、温野菜のサラダに、こちらはりんごをすりおろしていますので食後にどうぞ」


テーブルに並べたプレートを見て感嘆の声を上げている。
こう言うのは、悪く無いものですね。


それに…体調が悪いと言うのにそんな幸せそうな顔をして…。


ありがとうございます、と言って笑う顔を見て、少しホッとした。


「お礼を言うのなら、食べてからにして頂きたいですね」


「えへへ。
じゃあ…、ありがたくいただきます」


こうして二人で時間を過ごせるのも、ほんの束の間の事なのかもしれない。


そう思うと、今はこの目の前の貴女の笑顔がより輝きを増して見えた。





食事の後は、自分も一緒に食器を洗うと言う彼女をたしなめ、先に休ませた。


私は片付けを済ませ、入浴してから部屋に戻る。
/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp