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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第20章 episode.20


「ひとつ、心当たりがあるのです。
嶺帝の図書室…。
そこを当たってみます」


「嶺帝って…。
学校ですよね?
そんなところに…?」


私は半信半疑だ。


どうして魔界の、それも禁帯出の書物が人間界の学校の図書室にあるかもしれないと言うのだろう。


「まぁ、当たるだけ当たってみて、無ければまたこちらに来れば良い事です」


それでも、私には判断出来ないこの問題は、レイジさんの考えに頼る他ない。


そもそも、ヴァンパイアである皆が通っている学校なのだから、ありえない事ではないのだろうと感じた。


「分かりました」


私は素直に頷く。


「あぁ、それと。
戻ったついでに晩餐も済ませておきましょう。
そうすればその後、心置き無く調査に専念出来ますから」


こんな時なのに、真面目なんだなぁ。


それだけ、あの家にとっては大事な行事と言う事なのだろうけど…。


思わず呆気にとられてしまった。


「何です、その顔は。
貴女にも勿論、手伝って頂きますよ」


「ふふ…、はい」


また、一緒に料理が出来るんだ。
嬉しい…。


幸せを噛み締めながら、レイジさんのカップを持つ綺麗な手を見つめた。
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