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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第19章 episode.19


ひとり心の中でどきまぎしていると肩に手が触れ、ビクリとしてしまった。


そのまま後ろから腕が回されて、抱き締められた。


「あ…」


石鹸の香りがふわりと鼻をくすぐる。


「急に黙ったりして…。
どうしました?」


「い、いえ…あっ…」


耳に唇が触れてる。


私の反応を楽しむように何度も跳ねながら首筋へ移動して、私は身体を震わせた。


「っ…ちょ、ちょっと…レイジさん…」


「…もっと…顔をよく見せて下さい」


私の身体を反転させると、レイジさんの瞳が私を見つめる。


綺麗な瞳…。


今は私を映しているんだな…。


私はどんな顔をしているんだろう?


恥ずかしくてそらしたくなるけれど、どこまでも深く透明な瞳をもっと見ていたい気持ちが優ってしまう。


その瞳が閉じられた時には、唇が重なっていた。


「…っん…。
また…赤くなっていますね…」


私の熱くなった頰にそっと指で触れ、徐々に深くなる口付け。


促されるように開いた唇から絡み合う舌が少しずつ私の緊張を解し、奥底に眠っていた欲望を目覚めさせる。


もっと…触れて欲しい…。


もっと…もっと。


唇が離れ、向かい合わせで抱き締められると、否応なしに鼓動がうるさくなる。


「貴女とこうしていると、出来るならばずっとこうして貴女の温もりに触れていたい、そしてその血も…あなたの瞳も…全て自分だけのものなのだと、刻み込みたくなる…」
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