die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第2章 episode.2
するとここへ来た時からずっと不機嫌そうで声も出さなかった銀髪の子が壁をこぶしで叩く。
「…くっだらねぇ…」
末っ子だと紹介されてたスバルくんが叩いたところはパラパラと音を立てて崩れた。
こ、怖いな…。力強いんだ…。
「…あいつには、丁重にもてなせ、それと決して殺すなと言われてる…」
横になったままのシュウさんがだるそうに言う。
長男だって言われてたから、何か聞いてるのかな。
「ふぅ〜ん…
じゃあ、君たちとはなが〜いお付き合いになりそうだね…んふ♪」
指をペロリと舐められて、ハッとする。
しまった、まだ手を握られたままだった!
「ひゃっ」
思わず声が出てしまうとみんながこっちを見る。
背中が冷やっとするのが分かる。