• テキストサイズ

die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第18章 episode.18


とても優しく、愛撫するように動く舌を受け止める。


その優しい動きに気持ちがそわそわと落ち着かない。


鎖骨、肩…と移動していく毎に鼓動が早まる。


意識が動く舌にばかり集中してしまって、首筋、うなじへと移る時には、身体が熱を帯びていた。


「…ひゃっ」


あ…つい、声が…。


「ふっ…。
どうしました?」


レイジさんは耳元でクスッと笑うと私の手を取る。


普段ならもっと、赤くなった私を見てからかうような事を言うのに、いつもより言葉が少しだけ優しいのは、もしかしてこの傷を付けたと言う負い目からのレイジさんなりのお詫びなの…かな。


「貴女の手…こんなに熱くなっていますね…」


レイジさんの手が冷たく感じられ、自分でも熱くなっている事を自覚したらますます顔が熱くなった。


手首の傷に唇を寄せ、慈しむようにキスをくれる。


「…ぁっ…」


「痛かったですか?」


「い、いえ…大丈夫です」


私の顔を見て少し笑うとまた傷を舌で優しく撫でる。


目の前でその様子を見せられて…。


勝手に鼓動が早まった。


すごくくすぐったいし…なんだか恥ずかしい。
/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp