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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第18章 episode.18


「これから、自分がどうなっていくのか分からない…。
もしかしたら、自我を失ってしまうかもしれない。
そうなって、皆さんともし敵対するなんて事になったら…私は辛いんです」


レイジさんは目を逸らさず話を聞いてくれた。


「しかし、そこから逃げているだけでは、どうにもならないでしょう?
貴女は、どうしたいのです?」


どう…したい?


どうしたいかなんて、考えていなかった。


只、目の前に突然突き付けられた現実から逃げる事しか考えていなかった。


第一、それ以外方法は無いと思っていた。


どうしたいの…?私は…。


…いや、違う。


本当は、どうしたいかなんて明確なんだ。


ここを出ると決めた時、散々自分に言い聞かせたじゃない。


今も、頭がそれを無理だと言って封じこめようとしている。


自分の本当の気持ちは、蓋をして見ないようにしていると、いつの間にか見失うものなんだ。


レイジさんは私を引き寄せて、抱きしめてくれた。


「言ってごらんなさい。
どうしたいのです?」


「…無理…です…」


「何が、無理だと?」


「私は…ここに…居たい…。
でも、それは無理じゃないですか」


「どうしてそう思うのですか」


「どうしてって…。
ヴァンパイアハンターとして覚醒したら一緒には…」


「だったら、覚醒しないようにすれば良いのです」
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