die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第18章 episode.18
でも…私は…レイジさんとこうして会えるのが現実なら、現実がいいと思う。
でもどうして、レイジさんがうなされて…?
それに、悲しく苦しそうな瞳をしていた事が脳裏をよぎる。
もう一度手が伸びてきて、少し躊躇してから髪を撫でてくれる。
「…そんな悲しそうな顔をしないで下さい」
「…レイジさんは…どうして苦しそうなんですか?」
「私は…何でもありません。
貴女は、これを飲んで下さい」
私から目をそらすと、身体を起こしてくれて、液体を手渡してきた。
「これは…?」
「…今の貴女に必要なものです。
傷を治し、血を作るのを促します」
「ありがとうございます…」
「ふっ…。
そもそも、原因を作ったのは私なのですよ。
礼を言うところではないはずです」
「そんな事、無いですよ」
原因だったら、私が作ったようなものだから。
手の中にある不思議な色をした液体を見つめると、そのまま飲み干した。
「貴女は…!
疑うと言うことをしないのですか?」
傍で様子を見ていたレイジさんは空いた容器を私の手から取る。
「え…?」