die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第2章 episode.2
「…ありがとうござい…ます。
すみません、また助けていただいて…」
「ふん、別に助けたわけではありません。
貴女も、少しは気を付けたらどうです?」
「はい…」
突然の事だったからびっくりしちゃったけど、どうやらここではレイジさんの言う通り気を付けていなければいけないようだ…。
「それとも…」
コツ…とそばに靴音がする。
「貴女から誘っているのでは?」
「そんな…!」
「ふっ。
これから、兄弟達を紹介します。
リビングへ来て下さい」
レイジさんは私の否定を意に介してないかのように一瞬笑っただけで、要件を伝えるとスタスタと行ってしまった。
呼びに、来てくれたのか…。
尻もちをついたままの私。
昨日も助けて貰ったから、今も手を貸して貰えると思っていた。
でもきっと、今朝すっきり目覚められたのはレイジさんの手当てのお陰だよね…。
優しいのか、冷たいのかまだよく分からない。