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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第16章 episode.16


「マイちゃん?大丈夫?」


躊躇なく扉を開けるライトの向こうに、座り込む彼女がいた。


「いたたた…。
きゃっ!」


既に何も着ていなかったようで、慌ててタオルで隠している。


目を逸らしたけれど、ライトは平気で彼女に駆け寄っている。


「扉を叩かれたからびっくりして、急いだらすべっちゃって…」


「あーほらぁ。
色々あったんだから、一人じゃまだ心配でしょ?
ボクが、一緒に入ってあげるからね。
安心しなよ…っと」


「う、うわぁ、ライトくん?!」


服を脱ぎ始めたライトに、彼女は驚いた声を上げて目を逸らしている。


「え?
お風呂に入るのに、服はいらないでしょ?
別に驚くところじゃ…」


「ライト…。
貴方はもう結構です。
彼女が動揺しているじゃないですか」


「えぇ?
ボクは、危ないから一緒に入ってあげるだけだよ。
今はマイちゃんを一人にしない方がいいんじゃないの?」


「それは…っ」


「ね。
じゃ♪そう言う事で…」


更に脱ごうとベルトに手を掛けたライトを制止する。


「ライトくん…!
私は大丈夫だから…」


座り込む彼女が、身体に巻いたタオルで顔を隠しながら声を上げる。


この状況…、私にどうしろと…!


「…ですから!
私が一緒に入りますから、ライトはもう結構ですと言っています」


「えぇっ?!」


間の抜けたような声を上げたのは二人同時だった。
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