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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第16章 episode.16


レイジの部屋なんざ、入りたくもないが仕方ねぇ。


中に入るとあいつはベッドに横たわってた。


俺は初めから、こいつらは早くこんな所出て行った方がいいと思ってた。


だが何だって、こいつは妹を置いて出て行きやがったんだ?


近づいてみると、横たわる姿は酷く弱々しく、消えてしまいそうに見える…。


また、泣いてるじゃねぇか…。


何か、言ってる…?


「何だ?
喉でも渇いたか?」


そばに寄り口元に耳を寄せて後ずさった。


「殺して下さい…お願い…」


繰り返される言葉は、母親の姿とリンクした。


「…おい……やめろ……お前…!
しっかりしろ!
そんな事言う奴じゃなかっただろうが!」


肩を揺らしても鎮静剤が効いていて朦朧としているようだ。


「クソッ…」


いつも携帯している銀のナイフに無意識に手が伸びる。


「…まさかあいつが何かしたんじゃねぇのか…?
…マジ許さねぇ…」


出掛ける所が出来た。


部屋を出て廊下を歩いているとレイジが食事を持って戻って来る所だった。


「おい。
あいつ死なねえように見張ってろよ。
俺はちょっと出て来る」


「出て来る…ってスバル!
待ちなさい!
…っはぁ…。
何故ああ落ち着きがないのですかね…」
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