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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第16章 episode.16


抱きしめた腕の中で、か細く震える声が耳に届く。


聞き間違いかと耳を疑いかけたが、震えている肩がそれを否定する。


「何を言い出すかと思えば…。
そんな事、すぐにはいそうですか、なんて言える訳…」


「私を…消して下さい…お願いします…」


また涙を流し始めた彼女は、本当に腕の中から消えてしまいそうに儚くこの瞳に映り、きつく抱きしめる。


「…早く…早く…うっ…」


かなり興奮してきたので、隠し持っていた鎮静剤を打つ。


しかし、いつまでもこんな事を繰り返していたら彼女の身体がもたない。


とりあえずは、何か食べさせなければ。


どう過ごして居たのかは分からないが、何か温かいものを食べれば少しでも落ち着くのではないか。


彼女を横にならせ、ブランケットを掛ける。


静かに部屋を出ると、スバルが部屋の前に座っていた。


「目、覚めたのかよ」


「ええ。
…ただ少し興奮していたので今鎮静剤を打ちました。」


捜索にも着いて来ると言い、ここでこうして待って居た事を思えば、彼女の事を心配しているのは明らかですし…。


スバルであれば、彼女に何かする事もないでしょう。


「スバル、ちょっと食事を持ってきますから、その間様子を見ていて下さい」


「…チッ」
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