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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第15章 episode.15


マイへ。



君に手紙を書くのは初めてだね。
小さな頃からしっかり者だったマイにはいつも助けられていたよ。

そんな君にいつの間にか私も甘えていたのかもしれないな。
君にとってそんなに辛い事とは思わずにユイの事を話したらひどく動揺させてしまった。だから、少し記憶を触らせてもらった。慣れないものだったが上手くいっていなかったら申し訳ない。とにかく時間が無かったんだ。
時はじき満ちる。改めてもう一度伝える。伝えなくてはいけない時が来たんだ。

ひとつはそのユイの事だ。
君も小さな頃から一緒だったからこれまで秘密にしていたが、君とユイは本当の姉妹ではない。ユイは血が繋がっていないんだ。しかし君たちはいつも仲良くしてくれていたし、私も分け隔てなく育てて来たつもりだ。
この事はまだユイ本人には伝えていない。

もうひとつは、この手紙で初めて伝える事だ。よく読んで欲しい。私は教会で働くと同時に、ヴァンパイアハンターでもある。
そして私の血を引く君は、ヴァンパイアハンターとして生きていく宿命となる。

私は今ヨーロッパでの任務に就いている。このタイミングでユイを逆巻家に行かせなくてはならなくなったが、私は好機だと思っている。君を一緒に行かせる事で、ヴァンパイアハンターとして覚醒した君に逆巻家の者達を狩って欲しい。負の連鎖を断ち切りたいんだ。

何も難しい事はない。君の21歳の誕生日の後初めて来る新月の日、祝福の短剣で彼等の心臓を一突きすれば終わる。
どうか、人間界の今後の為にも役目を果たして欲しい。
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