die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第15章 episode.15
屋敷を出てから何日経ったんだっけ…。
森の中に居たからか、ちゃんと眠っていないからか…。
日にちの感覚がよく分からない。
随分と雨が降っていたせいかな。
空気を洗い流してくれたお陰で、砂浜に座って空を見上げると沢山星が見えた。
「気持ちいいな…。
きみにも見える?」
私の肩に乗ってくれてから、片時も離れずに一緒に居てくれてる使い魔くん。
寂しさを紛らわせてくれたし、森を抜ける前、大きな石につまずいて転びそうになった時は助けてくれた。
道を教えてくれているかのように少し先を飛んでくれて、お陰で獣道でも彷徨う事なく森を抜けられた。
明日朝、船が出るとお店の人に聞いたので、今日はここに滞在することにした。
緩やかな風が吹いて髪を揺らす。
前髪を直そうとしてふとブレスレットが目に入る。
どうしてもこれは置いて来ることが出来なかった。
レイジさん…。
ブレスレットごと手首を握りしめると、深く息を吐く。
隣に置いた鞄から封筒が覗いていた。
決意を新ためるように、手に取り改めて便箋を開く。