die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第14章 episode.14
半信半疑の私が判断し兼ねていると、一人の女子生徒が駆け寄って来た。
「待たせてごめんね!」
「おっせ〜から心配したじゃん。
とりあえず中入ろうぜ」
二人は笑い合いながら傘を閉じお店に入っていった。
はぁ……。
良かった、人違いだった。
ガラス張りの出入り口からは、二人が腕を組んで買い物してる後姿が見えた。
なんだか、後姿を遠目に見ると、レイジさんに誰か知らない女の子がじゃれ付いて居るようで、胸がざわつく。
こんな想いは、置いて来た筈なのに。
無意識に手首のブレスレットに触ろうとする。
レインコートに邪魔されて、触れる事は出来なかった。
コンビニに寄るのはやめ、歩き続けていると公園が目に留まり、そこで少し休憩をした。
とりあえず今日は眠るわけにはいかない。
なるべく遠くまで行って、少しでも落ち着けそうな場所を探してその時眠ろう。