第14章 episode.14

——どうやら目指して居る隣の村に向かうには、この森を越えなきゃいけないみたい。


関係者以外立入禁止…。


その文字を目の前に立ち止まる。


屋敷を出る前に、地図で確認はしていたのだけど、こんなに獣道だとは思わなかった。


勿論、大通りを歩けば道は舗装されているし、公共交通機関も使える。


だけど、手掛かりを残したくない為、なるべく人の目に触れないこのルートを選んだ。


それに、距離だけで言えばここを通った方が近道だった。


これから夜が明ければ幾分ましになるだろうけど、一人で入るのは少し勇気が要る。


だけど…進むしかない。



周りを一旦見廻し、森の中に一歩踏み出した。