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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第14章 episode.14


「このままにしておく訳にはいかないな…」


「…そんな事、分かっています」


「まだそんなに遠くには行っていないはずだ。
レイジ、心当たりは?」


「皆さんは町内を…。
私は心当たりを探してみます」


「面倒な事にならなきゃいいがな…。
いや、もうなってるか…」



何処へ行ってしまったのか。


酷い雨はまだ止みそうもない。


今夜は新月で力が弱まっている上にこの激しい雨も加わり、彼女の匂いをわからなくする恰好の材料だった。


使い魔を捜索に放ち、共に買い物に出掛けたルートを歩いてみる。


やはり使い魔は普段からきちんとつけておくべきでした。


私とした事が、すっかり油断していたとは情けない。


心当たりと言っても、彼女と出掛けた場所は限られているし、彼女が行きたがっていた場所も話題にしたことはなかった。



レイジさんへ。


何も言わず出て行ってごめんなさい。
一緒に過ごした時間は私の宝物です。
これまで何度も助けてくれて感謝しています。
貴方にずっと着いて行きたかったけれど、どうしても行かなくてはならなくなりました。
一緒にご飯を食べる約束、果たせなくてごめんなさい。
肉じゃが、久しぶりに作りました。食べてみてくださいね。
それから、貰ったブレスレットは、どうしても置いていく事が出来ませんでした。私の最後のわがままとして持って行く事を許して下さい。
今までありがとうございました。
ユイの事をよろしくお願いします。


マイ
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