die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第14章 episode.14
「…と、とにかく。
やむを得ない場合を除いて、公の場でそう言った行動は控えるように」
「説得力ないなぁ〜」
「自分の事は棚に上げるってやつだな」
はぁ。
本当に騒々しい。
…早く、部屋で静かに過ごしたいですね。
「ほら、もう到着しますよ。
ぐずぐずしないでさっさと降りる!」
「今日のお菓子は何だろうね、テディ?
僕、毎日楽しみなんです」
「ごまかしやがったな、シチサンメガネ」
「ふふ、まぁまぁアヤトくん」
車が到着し、玄関ホールに入ると先に降りていたアヤトが騒いでいる。
「オイ!なんか色々用意してあるぜ?
やりぃ、たこ焼きじゃねぇか」
「あ…僕の席にはお菓子が沢山…!」
「ローストビーフ…?」
「ボクの席にはマカロンがいっぱい♪
あれ?スバルくんそれ、ライスボールってやつ?」
ダイニングに準備された各々の好物を囲み、異変を感じる。
「な〜んか変じゃない?
…マイちゃんいないの?」
「私、部屋を見てきます」
ユイさんが二階へ上がる。
いや…気配がありません。
居ない。
彼女は、この屋敷には。