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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第14章 episode.14


授業を受けている間に降り始めた雨は激しさを増し、無数の雨粒が車の窓を音を立て打ち付け、周りの粒とくっつきながら素早く流れて行く。


手元の本に視線を戻すと、静寂を破るようにアヤトの声が耳に入る。


「あ〜、なんか腹減ったな〜。
おい、チチナシ。
帰ったら血ィ吸わせろよ…。
ククッ。
何だったら…今ここで吸ってやってもいいけどよ」


「…アヤト。
節度を守りなさい」


「チッ…。
冗談だろ、冗談。
シャレも通じねぇつまんねぇ奴だな、レイジは」


はぁ。
とても、冗談には見えなかったのですが。


「んふ♪
でもさ〜、そう言うレイジはどうなの?」


「…どうなのか、とは、何のことでしょうか」


「んふふ♪
マイちゃんのこ・と・だ・よ。
毎晩吸い放題なんじゃないの〜?
はぁ〜…!いいなぁ〜…!」


「っ!ちょっと。
その顔…何を考えているのかは知りませんが、変な想像はやめて下さい。
そんな訳ないでしょう」


「でもよ、しょっちゅうチチアリはレイジの部屋に行ってねぇか。
あぁ、こないだだって、廊下でいちゃついてたじゃねーか」


「はぁ?
そんな事、私がする訳がないでしょう。
だいたい…」


「えぇ?ボクも見たよ?
マイちゃんとレイジが廊下で抱き合ってる所」


な、何だと言うのです。
全員でこっちを見て…!
スバルとユイさんは何故頰を赤くしているのです。


「…フッ。俺も、見た」


シュウまでも…!
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