die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第13章 episode.13
立っていられなくて座り込むと、ざわざわと動揺が心を支配していく。
嘘…。
そんなの…。
動揺はやがて恐怖にかわる。
涙が込み上げてきて、泣かずにはいられなかった。
その涙が、決意に変わっていく。
—私は、ここに居てはいけない…。
頭が痛い。
フラフラと立ち上がる。
ここを出るのは、明日にしよう。
準備をしなくてはならない。
私なりのささやかなものにしかならないけれど、皆にお礼もしたい…。
部屋に戻り、スーツケースを開ける。
レターセットが入っていたのは、洋服など出した時に確認していた。
探し当て、ドレッサーに広げる。
ふと、目の前の鏡に映った自分の顔が目に入った。
何て顔を、してるんだろう。
絶対に、悟られない様にしなければ。
明日、ここを出るまでは絶対に。