die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第13章 episode.13
皆が学校へ行くのを見送った少し後、宅配は指定の時間通りに届いた。
「ありがとうございました」
玄関を閉めて、改めて見る。
昨日ショップから送ってもらった品物。
それと一緒に、別の荷物も受け取った。
「誰からだろう…」
私宛の荷物なんて、珍しい。
二つの届け物をキッチンに運んで、先に食器の入った箱を開封する。
緩衝材の間からのぞく水色のライン。
買い物した時の楽しかった気持ちが蘇りウキウキとしながら出してみる。
え…?
どうして?
間違い…ではないよね。
全ての食器が二組ずつ入っていた。
もしかして…二人で…使おうと思ってくれたの?
キッチンに並べて見ていると、嬉しくなって緩む口元を手のひらで押さえる。
きっとこんな顔を見られたら、ニヤニヤするなって言われちゃうんだろう。
甘いサプライズばかりで驚きの連続だよ…。
空き箱と緩衝材を片付け、自分宛の厚紙製の封筒を手に取る。
少し重みがあるそれには、差出人の名前はない。
でも確実に宛名には私の名前が貼られている。
封をペリペリとゆっくりと開ける。
中に入っていた物を見て更に疑問がわき、同封されていた手紙を開く。
並ぶ文字を追っていると、何かで殴られたような衝撃に、頭が真っ白になる。