die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第12章 episode.12
こんな形で贈る事になったのは偶然だったとは言え、こう言うものとのめぐり逢いは、必然なのかもしれませんね。
ふふ…。
それに…、もうひとつアクアマリンには意味があるようですが、それは…彼女には今は秘密にしておきましょう。
—綺麗な水。
透き通る水面は凪いでいてとても穏やかだ。
森の木々は精錬な空気を育み、空は雲もなく星々の輝きを余すところなく地上へと届ける。
なんて綺麗な所なんだろう。
生きているなんて、痛く辛く悲しい。
けれど生きているから、心地よく楽しく幸せも感じる。
この場所では痛みも幸せも何もかもフラットで、ただ透き通る水が全てを浄化しているかのようにそこにある。
—不思議な夢だった。
ふと目がさめると、隣にはレイジさんが眠っていた。
眼鏡を外してるところ、初めて見た。
この前は、ずっと背中を向けていたもんね。
いつもは年下とは思えない程大人びているのに、寝顔は少しだけあどけない。