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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第12章 episode.12


「そんな、意味があるんですね。
ふふ、なんだか前向きになれる石ですね」


改めて石を見つめた。


「貴女に、ぴったりの石です。
道理でよく似合っています」


「え…?
本当ですか…?」


上半身を起こすと、澄んだ瞳が真っ直ぐ見つめてくれた。


「えぇ、本当ですよ」


軽く抱き寄せてくれてくすぐったい。


「嬉しい…大切にしますね」


そう告げると耳元に口付けされた。


「さ、もう眠ってください」


「はい…。
髪を撫でて貰っていたら眠くなってきました」


「おやすみなさい…マイさん」


私を横たえると軽く頬にキスをくれて、目を閉じていると深い眠りに落ちていった。



—やっと、眠ったようですね。


放っておいたらいつまでも待つつもりだったのでしょうか?
まったく…本当に困ったひとですね。


静かな呼吸がベッドの方から聞こえてくる。
ちらりと見えるブレスレット。


フッ、寝る時にも着けたままで…。
可愛いひとだ。


"月の光を受けて輝く人魚石"
"夜会で輝く夜の女王"
"天使の石"


あの石の別名も、どことなく貴女のイメージにぴったりでした。
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