die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第12章 episode.12
可愛い…。
こんな事言ったら絶対嫌がられるよね。
彼の綺麗な顔を見ていると、じんわりと幸せがこみあげてくる。
幸せは、自分の内側から産まれるものだと実感する。
クスッと笑って幸せを噛み締めていると、ふと手が伸びてきて腰を引き寄せられた。
「ひゃっ…!」
もしかして、起こしてしまったのかと思ったけれど、聞こえてくる規則的な呼吸がまだ眠りの中にいる事を伝えている。
彼の冷たい腕が、私を抱き寄せて触れた部分から温かくなってゆく。
私が、いつだってこうして温めてあげられたらいいのに。
また幸せを感じて、私も眠りの中へ戻っていった。