die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第11章 episode.11
「…すみません!
私何て恥ずかしい事を…!
…で、でも、レイジさんはまるで悪いことの様に言うから…。
そんな事はないですって伝えたかっただけで…」
随分と焦った様子で顔を赤くしている。
先程…ライトの行動に少々苛立ちを覚えてはいたのですが…。
「…フッ。
貴女…そのような事を言って…。
はぁ…覚悟があっての事なんでしょうね?」
首筋にかかる髪を指ですくと彼女が肩を振るわせる。
身体をいくらこわばらせたとしても、その潤んだ瞳が説得力を欠いていますね。
「貴女に煽られては、いくら私でも止められませんよ…?」
耳元で囁き、熱くなってきた首筋に口付けると更に甘さを帯びた血が香りたつ。
手首をつかむと速い鼓動が身体を熱くしているのを感じる。
そのまま指を絡ませると力なく握り返してきた。
息をするごとに増していく香りに、牙が疼くまま白い首筋へと埋めた。
嗚呼…牙が、悦んでいる。
深く差し込むとたまらなく昂ぶるのは、貴女を支配している気がするからか。
溢れ出した血を舐め、味わうともっと、と本能が騒ぎ出す。