die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第11章 episode.11
「ん〜、でも〜。
血の匂いは変わらないから……
そっちはまだって事かな?
んふ」
「ひゃっ」
「ライト!やめなさい!」
首元に顔を近付けているライトから彼女を引き離す。
「んふ。
レイジ変わったよね〜。
ちょっと丸くなった?
マイちゃんも、ますます可愛くなったし…?
ま、ふたりで仲良くしてよ」
ひらひらと手を挙げてリビングを出て行く。
「まったく、ライトは…!
油断も隙もない。
大丈夫ですか?」
「はい…。
ライトくんなりに心配してくれているんじゃないですか?」
「フン、ライトに心配などして貰わなくとも結構です」
「ふふふ」
隣で笑う彼女が何か思い出したような顔をした。
「あ、血の匂いが変わるって今ライトくん言ってましたよね?
そんな事があるんですか?」
「…っ!」
「?」
まったくライトは余計な事を…!
「いえ…。
ライトはふざけているだけです。
貴女は知らなくてもいい事ですよ」
「え?
…教えてくれないんですか?」
「!?」
何です、上目遣いなど…!
背に違いがあるから仕方ないとは言え…!