• テキストサイズ

die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第11章 episode.11


「おいお前!
さっさと降りやがれ!」


「いつもいつもうるさいんですよ…!
指示しないで下さいアヤトは!」


「おいおい、何でもいいから早くしてくれ。
早く寝たい。ふぁ〜ぁ」


「…はぁ。まったく」


兄弟たちは相変わらず、スムーズに車を降りる事すら出来ないのか。


最後に車を降りて、屋敷内に入る。


玄関ホールに入ると、甘い香りが漂っている。
これは…今日の菓子はパイでしょうか。


「皆さん、おかえりなさい」


リビングに入ると、彼女が笑顔でパイを並べていた。


最近はいつも学校から帰るとお茶と何か一品準備してくれている。


「今日はパイですか?
僕、パイ大好きです!」


「ふふ。
カナトくんはそうだろうと思った。
アップルパイだよ」


「アップルパイ…?!
うぅ…くっ…」


「…チッ、うっぜーな。
菓子くれぇで泣いてんじゃねぇぞ」


「おい、チチアリ!
たまにはたこ焼きも作りやがれ!
たこ焼きだってれっきとしたおやつなんだからよ。
甘いもんばっかで…まぁそれも美味いけどよ」


兄弟たちも…と言うのがいささか…気に入りませんが。


「今お茶も淹れてるから待っててね」


彼女が楽しそうにしているので…まぁ良しとしましょう。
/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp