• テキストサイズ

die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第11章 episode.11


私がここに来た理由……。
結局何にも分からないままだな。


最初は、ここの誰かが何か知ってるんじゃないかと思ったけど、誰も何も知らないみたいだし。


ユイはアヤトくんと、私はレイジさんと…。


何もわからないままそんな事で本当に良かったんだろうか。


…って言っても、もう離れる事なんて考えられない。


どうかしてるのかな、私。
来たばかりの頃は逃げる事も考えていたのに。


撒いていた水を止めて、薔薇を眺める。
夜でも雫がキラキラと輝いて見えて嬉しくなる。


今度レイジさんと一緒にこの薔薇を見たいな…。
綺麗だって言ってくれるかな?


そう思い片付けようとした時…。
人影が目の端で動く。


え…?


今日は皆学校で誰も居ない筈なんだけど…。


誰か帰ってきたのかな。


ちょうど屋敷の影になっている所から黒いものが動くのが見えた。


「誰?」


少し近づいてみると、ドレスみたいな洋服を纏っているように見えた。


「あの…」


その後、スッと消えてしまった。


な、な、なー!
何今の…。


やっぱり、この前の満月の夜にバルコニーから見えたのも気のせいなんかじゃなかったんだ…!


心臓がバクバクする。


このお屋敷に女の人の消える影とか、雰囲気出すぎだよ。
急いで屋敷の中に戻った。
/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp