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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第10章 episode.10


私の髪を耳にかける。


「…フッ。
恐怖に青ざめたいい顔ですね…」


片方の手で顎をすくわれた。


「許しません…」


「…んっ…」


冷たい唇が一度私の唇を塞ぎ、離れる。


「貴女は…とても温かいですね…」


すぐに再び塞ぎに来ると、私の体温を確認するかのように何度も触れては離れる。


少しずつ身体が後ずさる。


「…逃がしませんよ」


腰を抱き寄せられて後頭部を固定されて本当に逃げられなくなった。


私、絶対体温が上がってる…。
顔が、手足が、熱い…。


「ん…はぁっ……」


離れた唇は、目が合ってまぶたに落とされ、すぐに頰に優しく触れる。


「あんなに青ざめていたのに…頬が色を帯びてきて…。
可愛いですね」


キスが動いていく度に、触れられたところが熱くなって心臓がうるさく胸を叩いてくる。


少しは鎮まってと願っても、収まりそうにない。


耳に軽く口付けされると、また心臓がはねる。


「ますますいい香りがしてきました…。
それに鼓動もこんなに早い…」


髪が片方に寄せられて首の後ろを通る指に身体がビクリとしていると、牙をうなじに当てられる。


「もういい加減、我慢の限界なんです…。
…覚悟はいいですね」
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