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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第10章 episode.10


見上げたレイジさんの横顔に小さな夜風が通り抜けて前髪を揺らしてる。


万が一レイジさんが吸血を望むのなら…
私は…どうするの?


月が照らす綺麗な横顔。


ふとこちらに気付き動いた瞳に、どきりとして目をそらす。


今日の恥ずかしい夢を思い出してしまった。
変に意識しないようにしなきゃ。


そらした先の眼下には、白い薔薇が映えてとても綺麗だった。


見惚れているとその中に、黒い影がゆらりと揺れたのが見えた。


「きゃ?!」


サァッと背中が寒くなる。


「何です?
そんな声を上げて」


「い、いえ…。
今庭園に誰か居た気がして…。
気のせいだったみたいです。
あはは…」


また目を凝らして見たけれど、もう何も見えなかった。


「はぁ〜…!
ビックリしました…。
良かった〜何もなくて」


胸に手を当ててホッとする。


あれ?
何だかレイジさん急に不機嫌そうなんだけど…。


睨まれてる先を辿って見ると、驚いてとっさにレイジさんの服を掴んでいた事に気付く。


「あっ!
ごめんなさい、驚いてしまって…」


ぱっと手を離した。


「マイさん…」


レイジさんが私に向き直る。


「は、はい…」
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