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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第10章 episode.10


「あ、ありがとうスバルくん」


私の声が聞こえたのか聞こえてないのかわからないけど、スバルくんの背中にお礼を言う。


そっか、今日が満月なんだ。


この前も、レイジさんが満月が近いから気を付けろって忠告してくれていた。


スバルくんいつもとちょっと違ったし、やっぱり影響が大きいって事なのかな。


「明るいな〜…」


屋敷内の廊下を歩いていると窓から見える月に、私の心も何となく落ち着かなかった。


満月の光は人間だって影響を受けるものだ。


夜の空は大好き。
昔はよく星を見たりしていた。
流れ星を見たときは嬉しかったな…。


導かれるように、バルコニーにちょっと出てみる。


「あ…」


中から見えない位置にレイジさんが居て、一瞬立ち止まる。


「…おや、貴女こんな所にどうしました?」


「月が綺麗で、ちょっと見て行きたくて…」


「…そうですね…綺麗な満月です。
雲もなく、よく見える」


お邪魔じゃないのかな…と思ったけれど、何も言わず空を見上げてる横顔を見ると居てもいいのかなと思えた。


満月…。


さっきのスバルくんのことがふとよぎる。


でも、レイジさんに限ってそんな。


これまでそう言う素振りも無かったし。


でも…。
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