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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第10章 episode.10


「ちょっとだけ…ちょっとだけ…だからさ」


スバルくんの牙が肩口に触れる。


えぇ?
ちょっと、なんでいきなりそんな…!


………。
…………。


………あれ?痛くない。


目を開けて見ると、スバルくんは私の肩を掴んだままうなだれていた。


「スバルくん…?」


「だーっ、もう、話しかけんな。
ちょっと、落ち着くまで待ってろ」


はぁはぁと苦しそうにしてて気になるけど、そのまま待った。


「悪りぃ…ちょっと、我慢出来なかった。
大丈夫か?」


「う、うん。
私は大丈夫。
スバルくん大丈夫なの…?」


なんだかまだ苦しそうにしてるけど…。


「〜〜っ!だから!
そう言う事言うなって!
お前…自覚なしかよ…」


一旦緩められた肩に置かれた手に力が入る。


「本当に吸われてぇのか?」


横の壁が…パラパラと音を立てて崩れる。


「そんな顔してんなよ…。
チッ。あのな、いい事教えてやる。
今日は満月だ」


「満月…?」


「いつも以上に気をつけろって言ってんだ!」


「!」


壁がまたひび割れた。


「……そんだけだよ」


驚いて動けない私を置いてそのまま行ってしまう。


もしかして…心配してくれてた…って事?
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