die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第1章 episode.1
「あの…、すみません、私に何か出来る事はありますか?」
「貴女に出来る事…ですか。逆に、貴女は何が出来るのですか?」
冷たいトーンで逆に問われてしまった。
もっともな事かもしれない。
「ええと…家事全般に、花が好きなので庭のお手入れとかも…」
大した事じゃなく普通の事だから、呆れられるかな…。
反応を伺う。
少し思案した後、
「わかりました…。では、私達が学校へ行っている間、貴女にはこの家の中の事をお願いします。但し、くれぐれも余計な事には首を突っ込まない様に」
念を押すように言われる。
「はい。よろしくお願いします」
レイジさんは、兄弟の紹介は明日しますと告げて部屋を出て行った。
明日から昼夜逆転の生活になる、これから夜になる今寝るべきではないのかもしれないけれど、何だか疲れてしまった。
どうやらユイと私以外は学校へ行ってしまった様だ。
今は寝てこれからに備えよう。
首の傷も早く治さなきゃ。