第1章 阿吽と私
『そういや、松川はもう行ってんの?』
岩泉「俺が会ったときにはもうカバン持ってたな確か」
及川「岩ちゃん部活行く気満々じゃん」
岩泉「おめーもな」
ノートを職員室まで届けた後、二人はそのまま部活に直行らしい。
松川ももう行ってるみたいだし、私もすぐに行かなければならない。
クラスまで戻るのは面倒だが仕方ない。
『じゃあ先行ってて!私もすぐ着替えていくわ!』
岩泉 及川「「んー」」
二人の曖昧な返事を聞いてから私は小走りで教室まで向かった。
クラスには数人ちらほら人がいる、私はカバンを持って廊下に出ようとした時、坂本さん!と声を掛けられる
振り返ると同じクラスの男の子だった。
名前…なんだっけ…初めて同じクラスになったし…
?「今から部活?」
『うん、そうだけど…急いでるから、ごめんね』
?「いつ頃終わるかなっ?」
『…えっ…と…多分8時前くらい…、かな?』
?「わ、わかった!じゃあ頑張ってね!!」
教室を出れば室内でひやかす声が耳に入った。
告白か何かだろう。
2年に1度くらい告白される私、こんな感じの中学でもあったな…なんて思いながらカバンを持ち直して走って体育館まで向かった。
『失礼しマース』
一礼をして私は体育館に入れば溝口さんに名前を呼ばれた。
溝口「これ、今年の1年のスポーツ推薦で入った奴らの名簿、あとは…中学までバレー部だった奴のも入ってるんだが…とりあえず把握だけしといてくれるか?悪いな」
『いえ…今年も多そうですね』
溝口「今年は2人かな…1年のベンチ入りは」
『目でもつけてあるんですか?それとも徹みたいな…あっ、わかった飛雄…じゃなくて影山くんですか?』
溝口「残念だったな、影山飛雄くんはうちじゃないからなー…ま、その分いい一年がいるし、明後日からもう部活参加するみたいだからそれまでのお楽しみな」
絶対言うのが面倒なだけだ。