第4章 合宿
松川「まだ?」
花巻「聖ちゃん?」
こいつら絶対楽しんでる…
キッと目の前にいる花巻を睨めば、ニヤニヤが更に増す。
逃げ道はないし、人通りも少ないから助けも呼べない。
むしろ助けを呼んだ場合コイツら警察行きだぞ、それくらい近いからな。
『わ、わかったから、離れなさい』
松川「誰が?誰に?」
花巻「お前ドSだな」
『花巻もだからな』
花巻「え?なになに?」
家まであと少しだというのに、ニヤニヤ野郎どもは一向に退く気配はない。
今思えば名前呼びに抵抗はない。
ないけど、急に名前だぞ、恥ずかしくないか?
…いや、恥ずかしくはないな。
花巻「聖?」
『貴広、一静、どけ』
どうだ。とばかりにドヤ顔をしてやれば、2人は真顔になる。
それから、あれー?となにか違ったのか、眉間にシワを寄せた。
松川「…キュンってするかと思った」
花巻「しなかったな」
『お前ら何に期待してたの…?つか、もう家着くから早く行くよ』
松川「聖〜」
花巻「聖ー!!!」
『何急に…ってギャッ!?』
つまらなかったのか何なのかよくわからないが、先に行った私に向かって飛びついてきた長身2人に倒される。
松川「貴広くんと一静くんプレゼント」
花巻「受け取ってね」
『貴広も一静もいりません!!!!』
次の日
『貴広、一静おはよ!!!』
及川「…!?ちょ、聖ちゃん!?!?」
松川「おはよ、聖」
花巻「はよ」
及川「!?!?!?!?!?」
徹は混乱し、その日の練習試合はすべて負け、溝口さんに怒られ急な名前呼びは禁止、徹が慣れるまでは徹の前での名前呼びが禁止された。