第4章 合宿
『ハジメちゃんラスト』
岩泉「…ッフ!…ハァ、ハァ…」
合宿1日目。
学校もあったし、疲れが出てくる頃。
今日は早めに寝かせて明日に整えるしかないようだ。
今日の最後のレシーブ練習を終わらせ、ハジメちゃんと金田一に飲み物とタオルを渡した。
金田一はスタミナ結構あるけどハジメちゃんはもうちょっと欲しいかな…
『お疲れ様、食堂は9時までだからね、ちなみに今は8時。』
金田一「ハイ!岩泉さん腹減りましたね!!」
岩泉「俺、スパイク打ってから行くわ」
金田一「えっ!…じ、じゃあ俺もいいっすか!?一緒にやっても!!」
岩泉「お、一緒にやるか!」
『私の話聞いてた?』
バレー馬鹿には勝てん。
2人は嬉しそうにボールをもって私を見る。
…子犬かよ。
尻尾と耳が見える錯覚に落とされ、私は8時半までね。と言えばハイタッチをする2人。
『私は行く「待てコラ、聖はボール上げろ」で、デスヨネー』
ハジメちゃんに止められて、私も渋々参加することになった。
お腹減った…
カレー食べたい…
ボールを集め終えた金田一が、私の方に来て頭を下げた。
金田一「よ、よろしくお願いします!!」
『そんなかしこまらなくても…!全然いいよ、中学ではよくあったし』
岩泉「金田一、やっぞ」
金田一「は、ハイ!!!!」
『あっ、金田一!ちょっとボールを私に山を描くように投げて!』
金田一「うっす!」
3人でコートに入り、私は小さく深呼吸してフワッと上げられたボールを丁寧にトスをした。
一番緊張するんだよな、この時が。
浮いたボールはハジメちゃんによって処理される。
きっと打ちにくいんだろうけど、本来は徹がいるし。
金田一「聖さんセッターできるんですか!?」
『えっ…あ、あぁ!!!まぁ、中学ではセッターというかそんなんだったし…』
金田一「すげー!!!!」
岩泉「だろ!」
『徹には劣るけどね』
岩泉「お前感情顔に出るしな」
金田一「かっけー!!!!!!」