第3章 王様と私
『いつでも連絡していいからね』
影山「うっす」
岩泉「俺のもいるか?こいつ対して携帯見てねえし」
『見てますう』
影山「じゃあ、岩泉さんのも…」
飛雄は遠慮気味に私とハジメちゃんの連絡先を登録した。
あの気まずい雰囲気はもう体感したくない、大人しく帰ってくれ…と思っていれば、
影山「及川さんいないんスね」
岩泉「女と遊んでる」
影山「…聖さん及川さんの彼女じゃなかったんスか!?」
『だ、誰情報!?』
影山「いや、いつも一緒にいたから…」
岩泉「こいつ男いねーべ」
『うっさい!いいの、部活終わるまで我慢なの!だからできるのは4月!』
もう高校じゃないけどなその時には!!!
ハジメちゃんは二カッと笑って、私の頭を叩くようになでる。
飛雄は目を丸めていて、少ししてから安心したように私達を見ていた。
『痛いから!叩くの禁止!』
岩泉「そういや影山」
影山「はい?」
岩泉「及川から聞いたけど、あんまコイツ手出してっと…及川以外からも噛み付かれるぞ」
急にハジメちゃんが話し出すから驚いたけど、私の話だという事はすぐわかる。
叩いていた手を下におろしてから、まぁ…なんだ?と自分の頭をクシャっとしてから何か思いついたように飛雄に指を指した。
岩泉「コイツが欲しけりゃうちのチームに来るべきだったな」
『!?』
影山「???」
岩泉「うちにいねえ限り、コイツはぜってえ振り向かねえぞ」
影山「…振り向かせてみますから…」
『ちょ…ハジメちゃん!』
パッと上を向けば、前回と同じビリビリとなにか電気のようなものが見え、私は何も言えずにハジメちゃんの横に立っているだけだった。