第1章 阿吽と私
『徹!ハジメちゃんおはよ!』
それから10年ほど経つ。
私達は身も心も成長した。
相変わらず私たち3人は一緒にて、家も近いので朝も帰りも一緒だった。
特に変わったことは無い。
些細なことなら、徹がハジメちゃんのことを岩ちゃんと、ハジメちゃんは及川と呼ぶようになっただけだろうか。
中学は北川第一中学。
その繰り上がりみたいなもので、青葉城西という高校に通っていて、私はその高校で徹が勧めてきた男子バレー部のマネージャーをやっている。
及川「おはよ、聖ちゃん」
岩泉「はよ」
二人共朝は弱い。
猫背のハジメちゃんを見て、私はいつもの朝だと感じる。
今日から私達は三年になるのだ。
うちの部活は部員数が多い。
だからマネージャーはなしでも回せるのだが、せっかくなのでやってみたマネージャー。
予想以上にたのしいものだった。
初めはよく、徹のファンに地味な悪口や物隠しを受けていたが、それにも慣れ、今でもちょくちょくあるが徹がいつも一緒に探してれて、もう気にはならなかった。
呼び出しされた時はどうしようかと思ったが、ハジメちゃんが付いてきてくれたので、何とかなって今に至る。
結局私は、2人がいないと生きていけないのかもしれないと思い始めていた。
『ちょっと徹、重いんだけど!』
及川「いいじゃん!まだ寒いし」
岩泉「もう春だろ、あちーよ」
『ハジメちゃんの体温どうなってんの』
私は思いっきりハジメちゃんに抱きついて徹+私の体重を受けたハジメちゃんは盛大に転び、及川ボケェ!と怒っていた。
私は徹と2人でハジメちゃんに手を差しのべる。
『早く行かなきゃ遅刻するよ!』
及川「岩ちゃんってばのんびりさんっ!」
岩泉「うっせ!はやくいくぞ!」
今日もまた、こんな一日が始まる。