第3章 王様と私
『ゲッ…セット取られてんじゃん』
溝口「坂本やっと来たか…あの速攻解説してくれよ」
『そ、速攻?』
学校について、私と徹は別々に体育館に入る。
理由は察してくれ。
溝口さんが私の隣に立って指を指す。
日向くんと飛雄。
確かにあの二人を指さしていた。
それから少しして徹が入ってきて黄色い歓声が湧く。
私はベンチに座って監督の話に耳を傾ける。
どうやら、飛雄に相棒ができたようだった。
さっきの緊張していた、あのMBだ。
背後に立つ徹に気がついて私は振り返った。
『…徹、ストレッチのしすぎには気をつけてね』
及川「はいはい、なるべく安静、でしょ」
『わかってるんだったら早くやる!』
徹はストレッチをしに行った。
金田一はなんだか唖然としてるし、話は本当なんだろう。
試合が開始され、三セット目が始まった。
『金田一、ハジメちゃん焦らずね!!』
金田一「ハイ!」
岩泉「おう」
二人に声かけをすれば、声が自然と出る。
絶対的エースのハジメちゃん。
そのエースについて行く金田一。
大丈夫…だとおもってたんだけど…
入畑「ハァ…点が入るね」
溝口「やっぱりあの速攻はすごいですね」
『…でも、あの速攻使えるのって…日向くんだけですよね』
溝口「…そういや、そうだな…」
入畑「うん、そうだね」
まぁ、今更なんだけどさ…
試合の展開は20-24
烏野のマッチポイントだ。
『飛雄、楽しそうだな』
及川「…聖ちゃんは俺達だけ見てればいいのに…ま、見ててね」
『!?』
不意に頭の上に手が乗ったと思えば監督の方へ行く徹。
まずい事言ったか?と思いながらも、試合を見ていた。
『金田一ナイスキー!!!』
やっとこっちも20点以上。
そして、笛の音と共に空気が変わった。
『ゲッ、監督ピンサーで徹出したのか…』
とことん性格が歪んでるよな…