第3章 王様と私
バスを乗り継いで、歩いて数分でつく病院。
試合を見たかったが仕方ない。
1セット目は取ったし大丈夫だろう。
ただ、あのMBは気になるけど…
及川「聖ちゃーーーん!お迎え来てくれたの?嬉しい〜」
『さっさと帰るからね!』
病院から出てきた徹は何事も無かったように普通に歩いている。
軽い捻挫だったのか。
安心して私は徹の隣を歩いていた
及川「うんうん、わかってるわかってる!…そんで、烏野はどう?」
『聞きたいのは烏野じゃなくて飛雄単体でしょどうせ』
及川「…まぁね!それでそれで!?」
顔が輝いているように見えるのは私だけだろうか。
徹はニコニコしながら私の話を待つ。
『飛雄は変わってると思うけど…その理由がつかめないんだよね。』
及川「?変わってるって?」
『そのまんまの意味。中学最後の試合見に行った時とは雰囲気が違ったというか…』
及川「ふぅん…そう」
『なに、怯えてるの?』
及川「怯えてるわけないだろ」
バスを待つ時間、私は携帯を見て時間を確認していれば、俺の足の心配は?と首をかしげているのを横目に見て再び携帯に目を戻す。
最近の子は携帯ばっかりでやになっちゃう!と頬を膨らます徹。
『大丈夫そうで安心しました』
及川「ふふ」
『何笑ってんのよ』
及川「聖ちゃん素直じゃないなーって」
『試合出さないからな』
及川「俺のいないチームは寂しいと思うよ?」
バスが目の前に止まり、一番奥の席に座る。
隣に座ってきた徹は小さなあくびをして、楽しみだなぁ…と呟いた。
相変わらずこいつの殺気といい真剣さといい凄いと思う。