第3章 王様と私
『…よし、いよいよだ』
早速はじまる練習試合。
烏野高校VS青葉城西
点数はこっちが優勢。
まあ…理由は1つ。
『あのちっこいMBすごい緊張してますね…』
チームプレーができないほど緊張している背の低いMBのせいだ。
確か名前は…
『日向、翔陽くんか』
溝口「すげえ緊張してるな…」
『あ、またミスしてる。』
レシーブミス、トスミス、そして、お見合い。
1年生だろうか、それにしてもベンチにそれなりの身長いるのにスタメンということはきっと何かを隠し持っているハズだ。
ノートに一人ひとりの名前を書き込んで、ポジション等を確認していれば、監督が私を手招きしているので近くに寄る。
入畑「聖、そろそろ及川の迎えを頼む」
『え"!?』
入畑「あいつ人がいないとまた女の子に捕まっちゃうからな…よろしくなちなみに病院は…」
なんで私が!?
いつかは戦う相手だから攻略もかねてノートに書きたかった。
監督は笑顔で私を見る。
入畑「じゃあ、頼めるね?」
『わ、わかりましたよ…』
この笑顔に逆らうと嫌なめにあうのはわかっている。
ノートをベンチに置いて、小走りで靴を持ってきて外に出ようとした時、後ろの方でボールが後頭部に当たる聞き覚えのある鈍い音がした。
コート内を見ればサーブポジションに日向くん。
ボールは飛雄の後ろに落ちていて、数秒静まったあとにドッと笑い声が響いた。
確かアレでこっちが1セット取ったのか。
それにしても
『相変わらず痛そうな音だよな…』
ハジメちゃんもよく頭にぶつかってたな…徹のサーブだけど