第3章 王様と私
案内を終わらせたのを報告しに行き、置きっぱなしだったビブスを取りに行こうとすれば一年がやってくれたみたいだった。
ドリンクをベンチの近くに置き、烏野のベンチに二つほどパイプ椅子を置いた。
?「あ、あの」
『はい』
綺麗な声。
そういえば聞いたことがあったな、烏野には美人のマネがいるんだっけ…
顔を上げれば噂以上の美人さんに、私は口元が緩む。
?「私、烏野高校バレー部のマネージャーの清水潔子…っていいます」
『あ…!青城バレー部のマネージャー、坂本聖です』
自己紹介をすれば、綺麗に笑顔を見せる彼女。
あぁ、これが本来のマネージャーなのかも知られない。
なんてメンタルをやられていれば
清水「なにか、やることありますか…?今ちょうど手が空いたので…手伝えることならなんでもします」
『えっ…!!ぜ、全然!大丈夫です!!』
気の利く素晴らしい人だ。
よく練習試合をするけど、大抵は手伝ってくれないからな…
でも今やる事はもうない。
私は軽く謝っていれば、向こうの方で国見が私を呼んでいてのに気がついた。
『すみません、ちょっと…ごめんなさい』
頭を90度下げて私は背中を向けた。
少し振り返って見れば、清水さんも呼ばれたらしくツヤツヤした黒髪がふわりと揺れているのが目に入った。
スタイルも顔もいいって最高じゃねえか…
深くため息をつき、私は国見の方へ駆け寄った。
『どうかした?』
国見「いえ…絡まれてるな。と思って」
『絡まれてるって…矢巾じゃないんだから』
矢巾「通りすがりに俺のことディスるのやめてもらえません!?」
用はなかった。