第2章 彼らと私
男「及川の幼馴染み優しいな」
及川「だろ」
男「彼氏いんの?」
及川「……いる」
男「マジかよ!ショックだわ〜」
なんて声が保健室を出てから聞こえた。
恥ずかしい話題しやがって。
私は彼氏なんていないし。
徹は歩けるみたいだし、安心だ。
途中お詫び品の抹茶オレを買っていくことにした。
教室に戻れば松川が笑いながら、どうだった?と言ってきたので素直に答えた。
教室に杏子はいなかったからもう帰ったのか。
松川「マジ?で大丈夫なの?及川」
『うん、安静にして授業終わったら部活前までに病院行くって』
松川「心配だな」
『…大丈夫そうだったけど』
松川「そんな事言ってお前〜!及川の名前聞いた途端顔色悪くなってたぞ」
ニヤニヤしながらパックの牛乳を飲んでる松川に私はお詫び品を顔面に向けて突き出し、うるせえ!と声を上げた。
松川「ヤッター抹茶オレ〜」
『お昼のお詫びね』
松川「え?なにかしたっけ俺」
『…いいや、私からの気持ち』
松川「?」
早速飲みはじめたので、私は部誌を取り出した。
昨日は国見か。
…雑だな。
『あいつ…』
松川「すっげえ国見っぽくね?」
『松川って案外後輩に甘いよね』
松川「えーお前に言われたくない」
『…甘い?私』
松川「まぁ…俺達からすれば?」
なんて口を尖らせる松川。
最近したことを思い返しても全く突っかかる点はない。
国見の反省点は、声を出す。とだけ書いてある。
一昨日の金田一の文はすごかったんだけどな…字もでかけりゃ書くことも多いみたいだ。
『ハァ…』
松川「ため息幸せ逃げるぞ」
『松川もよくため息してるよね』
松川「…マジ?」